Re: 寄ってなんぼ?引いてなんぼ? /take4顧問

2010/08/20

JUN君の書き込みを受けて・・・

水中では被写体に寄る事のメリットを知る事や、そのための技術を身につける事が大切ですが、それを習得した次は、自分の使っているレンズやストロボの特性を知り、そのコンディションでの有効な写程距離を見極め、構図作りのためには敢えて離れて撮る、ということもあります。

ちょうど今日、チュンポンピナクルでこんな写真を撮ってきました。



何気ないハタとキンセンフエダイの構図に見えると思いますが、
主役のヤイトハタを浮き上がらせるよう、さりげな~い工夫をしてます。

ハタだけのド・アップだと、せっかくの背景のキンセンフエダイの群れが写らずもったいない。
なので、寄ろうと思えば寄れるハタから、計画的にちょっとだけ離れて撮っています。
離れていると言っても、魚眼レンズを使っているので十分光が回る距離ですが。

そして、撮影時には『スローシャッター』&『回転』のテクニックを使い、
現像時には『トリミング』をして仕上げています。

トリミングを否定する人もいますが、僕はテクニックのひとつだと思っています。
この絵では、回転軸の中心が作品の中央からずれていることが作者の意図する所です。
ドンピシャでこの構図を狙うと、主役のハタもブレてしまいますから。

ちなみに、下がトリミングする前の元々の写真です。


そんなこんなで、寄ってなんぼであり、引いてなんぼなのだと思っているのですが、
これはそのひとつの例です。

by Take4

9 コメント:

Shing さんのコメント...

タケシ顧問、投稿ありがとうございます!

「寄ってなんぼ?引いてなんぼ?」の2つの記事を読んで、レンズの特性という事について考えてみました。
マクロは60mmを常用していて、ピントや被写界深度など、陸と比べて違和感を感じる事が多いなぁと思っていましたが、冷静に考えると、撮影距離が違うんだって事に今更ながら気づきました...(汗)

ボクの場合、陸での撮影では、マクロレンズといえど、そんなに寄って撮影する事はほとんどないんですよね。でも、水中ではもっともっとって気分になって、ついつい最短近くで撮影する機会が多く、あれ〜、こんなピントってシビアだったかな?とか、この絞りでこんなにボケるんだぁとか、冷静に考えると当たり前なんですが...。

早く、自分なりの距離感ってものを掴みたいです。
そして、この写真のように後処理なども踏まえ、仕上がりをイメージしながら、一枚一枚撮影していきたいですね。

JUN さんのコメント...

うわぁぁ、、すげぇ。。ほんと、レベル違いますね。
ヤイトハタから力強さをめちゃくちゃ感じます。。
いいなぁ、、、こんなの撮れたらなぁ。。

前回、タオにいったときに、学んだのですが、スローシャッター時は、ストロボかなり強めに焚かないとだめなんですよね、、。

次回は、こんな写真がとりたい!!

ぶーみん さんのコメント...

「わぁ~凄っ!Guest投稿って誰?????」って思ったら・・・
流石の1枚ですね。ただただ見入ってしまいました。

最短まで寄ると、どうしても日の丸構図というか、
被写体だけがド~ン!って感じの写真になってしまうので、
引いた画(もしくは環境が判るような画)も撮るように最近心がけています。
だけど、そこにテクニックを駆使するところまでスキルが追いついていないのですが
1点教えてください。

>撮影時には『スローシャッター』&『回転』のテクニックを使い、
>現像時には『トリミング』をして仕上げています。
>(略)回転軸の中心が作品の中央からずれていることが作者の意図する所です。

仰っていることは理解できます。
背景のブレ方からもハタを中心に回転させたことも何となく判ります。
でも、回転の中心(完全な点)でなければ若干なりともブレが起こると思うのですが
ハタがブレてないのはなんでですか???
(すみません・・・基本的なカメラのことが解っていません。)

以前カオラックで私が撮った写真にも(偶然)スローシャッターになったものがあり、
オニカマスの顔だけにピントが合っていて、体部分はブレている写真があります。
そのときも、(回転させてはいませんが)TAKESHI顧問から
スローシャッター故にこんな風に撮れた、とお聞きした覚えがあります。
当時は「ふ~ん、そうなんだ・・・(スミマセン)」で終わってしまったのですが・・・
その写真は↓↓↓です。
http://boomin.exblog.jp/7289289/

今回のハタといい、オニカマスといい、スローシャッターの原理?!がよく理解できません。
教えてくださ~い!

Big Blue さんのコメント...

Sing君

水中写真では寄ってなんぼと言いますが、それは、水が光や色を吸収する性質を持っているからです。レンズやストロボシステムや透明度などの条件で、光がちゃんと届く距離の限界があります。なので水中では同じ被写体というか同じ構図で撮るなら、より近づける短いレンズが有利となります。100mmと50mmでは同じような構図でも鮮明度や色の出方が変わってきます。また、距離によってボケ味も変わってきます。

そして、作風を左右する構図選びには余白の美というのもあると思いますが、長いレンズで無理矢理後ずさりして空間を作ったとしても、鮮明度は落ち、色はちゃんと出ませんよね。

各レンズの最短撮影距離で撮ると言っているのではありません。

寄ってなんぼというのは、被写体、構図に対してちゃんと光が回るレンズやストロボシステムを選ぶ事と、実際に被写体に近寄れるダイビングスキルを身につけるという事です。

引いてなんぼと言うのは、寄ろうと思えばもっと寄れるレンズや被写体だけれども、その有効写程距離内で、敢えて離れて構図を決めるという事です。

写真のヤイトハタは、15mm魚眼レンズを使って50cmの距離から撮りました。よろうと思えば半分以下の距離でも撮れるレンズであり、被写体です。ですが、50cmからでも十分光は回ります。自分のイメージする仕上がりのために、敢えて離れて撮った例です。

TK4

Big Blue さんのコメント...

JUN君

スローシャッターにする分、絞りこむ必要があります。
絞り込む分、ストロボを強く焚く必要があります。
環境光が明るすぎる場合はNDフィルターを使う手もあります。

TK4

Big Blue さんのコメント...

ぶーみんちゃん

上の写真はストロボを焚いています。
ストロボの光は一瞬なので、スローシャッターのスピードよりも短いです。
なので、シャーッターが開いている間の、一瞬だけにストロボの光が当たります。

写真を撮るとは、光の記録を残すということです。
なので、スローシャッター&回転で撮った場合は、
自然光で円軌道の残像が尾を引くように写りますが、
その上に、ストロボの光が当たった瞬間の画像が止まった状態で載ります。

このヤイトハタが止まっているように見える理由は、
・ハタが回転の中心にいる事
・回転のスピードとシャッタースピードの関係
といったところでしょうか。

実際にはハタの残像も尾を引いていますが、
回転の中心に近いので、回転によるブレ幅が小さいのです。
写真のキンセンフエダイも外側の個体ほど大きく尾を引いているのが解ります。

シャッタスピードがもっと遅かったり、回転のスピードがもと早ければ、
このハタももっとブレて残像を残している事でしょう。

TK4

四八式潜水機 さんのコメント...

塾長、講義有難うございます。

寄ってナンボ引いてナンボの考え方、
タオでも何度と教えていただいてたはずですが、
改めてこういう形でご教授いただけて大変有難い限りです。
少しずつ自分のものにしていけたらと思います。

何度となく潜っているチュンポンピナクルですが、
こんな迫力ある写真撮れるのはやっぱり凄いですね!!

自分も写真の中で動きを出したいなぁが目下の課題で、
スローシャッターも練習テーマで、
設定をあれこれいじってますがなかなかモノにならんです・・・

聞いてしまうのは反則かもしれませんが、
因みに今回のS/Sや絞りとかはどれくらいのもんでしょうか??
もちろんその場の状況で都度変わるものとは十分認識していますが、
塾生としてはやはり模倣も練習のひとつかなという事で・・・
(企業秘密でしたらスミマセン、聞き流してください。)

Big Blue さんのコメント...

四八式潜水機さん

ぜんぜん反則とか企業秘密とかじゃないですよ。

撮影データは、
カメラはキャノン5Dで、
レンズはキャノン純正の15mmフィッシュアイ、
ピクチャースタイルはスタンダード、
シャッタースピードは1/13、
絞りは16、
ISO200で撮っています。
ストロボはフル発光ではないけどかなり強めに焚いてます。

元データはちょっとアンダー気味で、
RAW現像の時に少しだけ明るさを上げている他、
ハイライト、シャドウ、コントラスト、シャープネスなどを
1〜2目盛りずつくらいいじっています。

あと、ブーミンちゃんの質問、何故ハタが止まって見えるか?の答えで、
もう一つ大事な事は、ハタにしっかりとストロボ光が当たっているので、
その瞬間でハタの輪郭が止まっているという事ですね。

ご参考までに。。。

四八式潜水機 さんのコメント...

塾長、貴重なデータ有難うございます!

1/13なんてシャッタースピードは
ぶれが怖くてなかなか使えなかったですが、
勇気を出して使ってみようと思います。

あわせてストロボ光の距離感や構図力、
撮るためのダイビング技術といった諸々も磨いていかんといかんですね。
・・・頑張ります。

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