たかがクマノミ、されどクマノミ。

2010/07/31
 カクレクマノミが主役のアニメ映画「ファインディング・ニモ」が上映されて以来、クマノミはノンダイバーにも知られる海の人気者になった。もちろん、ダイバーでも、クマノミを観たくて潜っている人は多いはずだ。こんなことを書いている僕にとっても、クマノミは大好きな生きもののひとつで、かっこうの被写体だ。世界各地のダイブサイトで身を沈めても、自然といろんな種類のクマノミを探している。たとえば、タイに行けば、固有種のトマトアネモネフィッシュの撮影に時間を忘れるほど夢中になった。棲む場所によって、体色や模様が微妙に違う個体が生息しているし、まったく飽きることがない。


 ある図鑑によれば、日本で生息しているクマノミは6種類だそうだ。沖縄諸島や奄美諸島に行けば、さまざまなクマノミに出会えるが、全種類を観ようと思えば、容易なことではない。しかし、先日に訪れた座間味島のあるケラマ諸島では、この6種類をすべて観察することが可能。それも、わずか3ダイブで完全制覇できるのだ。たぶん、そんなダイブ地は世界各地を見渡してもそうないのではないか。

 ①カクレクマノミ トップの写真。言わずと知れたニモちゃん。クマノミの中で、僕が一番好きな種類だ。このクマノミを観たくてダイバーになった。いつ観ても、ハタゴイソギンチャクの中で気持ちよさそうに泳いでいる。ダイバーに気付いてイソギンチャクの中に隠れたと思えば、すぐに出てきて興味深そうに見つめている。めっちゃ、かわいい!!!浅場にもいるから、シュノーケリングでも観察可能だ。
 ②クマノミ これぞ「ザ・クマノミ」。沖縄などの温帯地域だけでなく、和歌山や伊豆などの本州のダイブサイトにも生息している。トウアカクマノミと並んで、攻撃的な一面がある。今春に訪れた小笠原では、オレンジ色ではなく真っ黒な個体を観た。日本に限っても、地理的環境によって、体色はさまざまだ。
 ③ハマクマノミ 海の中で赤は消えてしまうのだが、肉眼でも鮮やかな赤色の体色が目立つ。もちろん、ストロボを当てれば、まばゆいものになるから、被写体としては最適だ。ダイビングを始めたころはクマノミとの区別がつかなかったなあ…。
 ④セジロクマノミ これまで何度も沖縄の海で潜っているが、今回の座間味で初めて日本で観た。ガイドに聞くと、沖縄では個体数は少ないらしい。ずっと思っていることだが、上唇から尾びれにかけてある白帯を観ると、モヒカン頭を想像するのは僕だけだろうか???
 ⑤トウアカクマノミ 僕の中では最も攻撃的な印象のあるクマノミ。写真を撮ろうと思ったら、イソギンチャクから飛び出してきて、頭や唇付近を突かれたことがある。このカップルは僕に見せつけるようにくっついて、レンズを見つめていた。違う意味でも攻撃的だ。
 ⑥ハナビラクマノミ 今回のケラマ・ダイブで一番、ハマった。成魚を撮っていると、奥の方に小さな個体が…。よ~く観ると、約1センチの幼魚がいた。これがすぐにイソギンチャクの中に隠れてしまうし、よく動くから、なかなか撮影できない。久々にマクロ魂に火がついた!!時間をかけて撮ったなかのワンカットが上の1枚。小さな目でこちらを見つめているのがとってもキュートだ。

 どこの海でも、いずれかのクマノミがいる。ダイビングを重ねれば、珍しい種類の生きものに興味を抱きはじめる。マクロ生物になれば、なおさらだ。だから、クマノミは観たい生きものの順位付けでも後位になって、クマノミを観てもスルーしてしまうことも多いのではないか。でも、僕の中では、いつでもトップ3に入っている。理由は、撮ることは簡単なようで、実に難しいから。これだという納得、満足のいくカットを撮ったことがない。いかに、いいアングルで、いい構図で撮れるか、ずっと模索している。「たかがクマノミ、されどクマノミ」。写真技術を鍛えるうえで不可欠な被写体だと思っている。

6 コメント:

JUN さんのコメント...

クマノミたしかにいると撮っちゃいます。
小さいのがいると特にw
そして、かわいくとるのが意外と難しいですよねー。
横チンさん、いろんな海にいきまくっててうらやましいです。

四八式潜水機 さんのコメント...

クマノミ確かに奥深いですよね。

それにしても全部見れるポイントというのもすごいです!

ぶーみん さんのコメント...

全6種制覇。羨ましいです。
しかもすべてバッチリ抑えていて、流石です♪
ハナビラのちびっこも、その小ささがよく判りますよ~。
かわいいなぁ。

「かわいく撮る」以前に、クマノミの白線に苦戦しませんか?
私だけかな?

横チン さんのコメント...

JUNくん
確かに。クマノミって、どちらかと言えば、かわいいというよりカッコいい顔をしていると思わない??だから、かわいい顔って一瞬なんだよね。粘って粘って撮らないと撮れないかも。

四八式潜水機さん
クマノミって、どこにもいるように思いますけど、全種類を見るとなると、けっこう難しいのでは。ぜひ、座間味を訪れてみては。

ぶーみんさん
ハナビラクマノミの幼魚を見た時は興奮しましたねえ。「クマノミの白線に苦戦」とは、具体的には??青みがかっちゃうってことですか???

Shing さんのコメント...

わぁ、すごい!
一度は行きたいポイントですねー。

横チン さんのコメント...

Shingさん
ケラマは未知の世界なの?透明度は抜群だし、一度は潜るべき!

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